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by fima
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始まり・・・。



空は曇り、雨は激しく降っている。
そんな中、白銀色の髪をした男が一人空を見上げながらたたずんでいた・・・。
彼の名は"クレア・シルヴァンス"アサシンギルドの一員である。
彼の両手には血で赤く染められている、黒き短剣が2本握られている。
彼が愛用している短剣の名は「メルーファ」といい、
魔王の血を用いて鍛え上げられた魔剣と言われている。
しかしながら、その事実を知ることはできない。
なにせ、はるか古代の時代に作られたもので事実かどうか確かめる方法がないのだ。
金色の柄に、漆黒の刀身。
刀身のほうには、これもまた金色でなにかの壮麗な模様が描かれていた。

なぜ、この短剣が血に濡れているいるのか。
それはクレアの職業からすれば一目瞭然である。
しかし、彼は心の中では望んでいなかったのである。
「どうして人を殺さなければならないのだ・・・。」
依頼された仕事の後には、このことで頭の中がいっぱいである。
「いつから俺はこうなってしまったのだろう・・・。」
彼がこの苦悩にさらされることになってから、かなりの月日が経っていた。

そもそも、クレアは望んでアサシンギルドの扉を叩いたわけではなかった。
彼の故郷の村は首都プロンテラからはほど遠いところに位置している。
しかしながら、自然に恵まれていて天候も穏やかで、
人が暮らしていくには不自由がない、そんな美しい村である。
この村では古くから伝わる一つだけの風習がある。
「白銀の髪を持つ赤子には、関係のあるものに必ずや不幸の目にあう。」
という、今ではとても考えられないようなものであった。
首都やゲフェンといった街中には、いたって普通に見られる髪の色だというのに・・・。

しかしながら、村民たちはこの古き風習を守っていて
クレアがまだ幼年期だったころに村のはずれの森林の中に捨てられてしまうのであった。
置いていかれると分かったときに、
「僕は村でみんなと暮らしたい・・・!どうしてだめなの!?」
という言葉を何度も何度も繰り返していた。
しかし、クレアの願いはかなわず、生き延びて故郷に帰るためにも必死だった。
その辺の草や木の実をかじったり、泥水をすすったりなどもした。
しかし、所詮は幼年期の子供である。
一人で生きていくには、この世界はあまりにも厳しいものであった。
「おうちに帰りたいよ・・・。」などとつぶやいているうちに
クレアの意識は薄らいでいき、その場で前のめりに倒れてしまった・・・。
その顔には、泣きじゃくっていたときの涙の跡がはっきりと残っていた。
by fima | 2004-10-18 04:08
<< あわわ・・・。 嫌になる・・・。 >>


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